―相続で不利益をかぶらないために―
相続手続きは「すぐに行うこと」「正しい知識を持つこと」
私は、仕事柄、相続について多くの相談を受けます。その中でとても多いのが、「知らないうちに故人の遺産がすべて一人のものになっていた」というようなものです。 相続人が複数いる場合は、その全員の同意が無ければ、相続人の一人だけに遺産を取得させることはできません。
それでも一人だけのものになっているのはなぜか?よくよく聞いてみると、何かの機会に、その者に実印と印鑑証明書を預けたことがあると言います。事実上、他の相続人全員の実印と印鑑証明書があれば、不動産も預貯金も自分一人だけのものにすることが可能です。
相続税がかからない人ほどトラブルが起きやすい
相続税がかかるほどの遺産がある場合、税理士や弁護士が相続手続きに関わることが多いため、比較的トラブルが起きにくいと言えます。
反対に、相続税がかからない場合、多くの人は知識が無いまま手続きを進めようとしたり、ひどい場合は何もしないで放っておいたりします。
しかし、相続手続きは全く知識の無い人ができるほど簡単なものではなく、また手続きを進めなかったばかりに、取り返しのつかないことになってしまうこともあります。
相続税がかからない場合ほど、正しい相続の知識を備えておくことが絶対に必要なのです。
自分で全部やる?それとも専門家に頼む?
何事もあまり費用はかけたくないもの。自分で勉強して、自分で手続きをしたいという方も多いでしょう。そして、このサイト自体、そういった方たちの参考にしてもらうことを目的の1つとしています。
ただ、一点だけ理解してほしいことがあります。相続のお手続きをする機会は、一般の方であれば生涯に2,3回あるかないかです。そのため、どうしても知識不足となり、情報収集するだけでもかなりの時間と労力を必要とします。そして、どうしても初めての経験ばかりとなり失敗をしてしまうケースが多いのが現状です。
結局、自分の費やした時間や労力が、専門家に依頼した場合の費用にくらべて多くなってしまうのであれば、元も子もありません。
自分でやるか、専門家に依頼するかは、このあたりのバランスを考えてみることが重要です。自分でできることは自分でやり、難しい部分は専門家に依頼するというのも賢いやり方の1つでしょう。
自分でやるか、専門家に頼むかは、時間と労力がどれくらいかかるかを考えてから決めましょう。
また、利害関係のない第三者たる専門家が相続の手続きを進めることにより、相続人間の対立を予防するという効果もあります。

